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極真拳シリーズ第二弾として前作の「けんか空手 極真拳」が公開された同じ年

1975年12月に東映から公開された。

 

けんか空手 極真無頼拳

「邪道の名を着せられ空手界から追放された大山倍達は、真の空手道追求のため

ひたむきに修業を続けた。己の拳を地上最強の力になさんと。」

 

道場破りを行い、自己の空手を試そうとする倍達(千葉真一)。

練心館空手道場。

 

練心館の高弟を相手に組手をする倍達。

「みろ!それが寸止め空手だ、カスッてもいねえよ!」

同門の高弟を倒され、更に挑戦しようと別の高弟が。

 

 

そこへ、会長の竜道寺重成(石橋雅史)。

「この男と試合をすることはならん!」と止めに入る。

 

挑発する倍達。

手も足も出ない幹部を尻目に倍達は去っていく。

倍達の帰途、練心館からの追っ手が襲う。

何なく片付ける倍達。

しかし、翌日の新聞には「ケンカ屋、白昼の大乱闘」と掲載され倍達は空手界から永久追放となる。

 

池袋の酒場。ひとりで浴びるように酒を飲む倍達。
ちょっとしたことで他の客とも乱闘をし、更に酒を浴びる。

そこへ倍達と航空学校時代の同期で、今はヤクザとなった木村(室田日出男)がいた。

木村「空手実力日本一のおまえが空手界から弾き出されたのは真っ正直すぎるからだよ。」
「世の中なあ、裏目読みの達者な野郎が肥え太るんだよ!」
「大山、俺に力貸してくれねえか悪いようにはしねえよ。」

ある日、木村の手下、野々山(日野孝司)らと商店街を歩く倍達。
その一角で大山倍達の名を騙り商売をしている小鶴誠(湯原昌幸)と大橋耕一(荒木茂)と出くわす。

野々山達が「詐欺じゃねえか!」と、小鶴と大橋を痛めつける。
小鶴が止めるのを聞かずに反抗する大橋。
「俺が知ってるのは空手家の大山倍達だ。それがよお、今じゃ暴力団の手先じゃねえか!」
「俺達のやってる商売がインチキだったらなあ!今の大山倍達だってインチキだよお!」
吼える大橋。

謝ってその場をおさえる小鶴。

小鶴は、大山をお詫びにと小料理屋へ誘う。

小料理屋では、仲居の寿美子(中島ゆたか)が働いていた。
寿美子に恋心を抱く小鶴は、名前を「大山倍達」と偽っていた。

苦笑いしながら小鶴と酒を酌み交わす倍達。

二階の座敷には、練心館館長の竜道寺と幹部達。
そこへ寿美子が酒を持って入る。
竜道寺に酌をする寿美子の手を握る竜道寺。
嫌がる寿美子を幹部達が押さえつけようとするが、寿美子の平手打ちが幹部に。
「あんた達!いい年してみっともないよ!」
啖呵を切り部屋を出ようとする寿美子を幹部達が乱暴しようとする。

それを聞きつけた小鶴は、俺が助けると二階へ上がる。
しかし・・・
幹部達に殴られ階段を転げ落ちる小鶴。
仲居達が、小鶴に「大山先生!大丈夫ですか!」と助け起こそうとする。
小鶴は・・・「目が!目が!」
仲居「目がどうしたんですかあ!」
小鶴「回るのお・・・」と、グッタリ倒れる。
倍達が駆け寄り「おい、大丈夫か?」と抱き起こす。

龍堂寺と幹部が階段を降りてきて倍達に目を留める。
「フン、用心棒かあ・・・似合いだなあ。」
嘲笑しながら去る龍堂寺たち。

キャバレーでウェイターをする小鶴と大橋。

そこには外人専用の高級ホステスとして米兵とダンスをする藤巻置八子(多岐川裕美)の姿が。

更には、米兵相手に商談をしている木村の姿もあった。

大橋が置八子とダンスを終えた米兵高官と肩がぶつかり揉める。
大橋を押さえ込もうとする木村の手下の野々山だが、大橋が殴り倒す。
止める小鶴。
そこへ米兵の黒人ボクサーが大橋を痛めつける。
止めに入る置八子。
しかし、黒人ボクサーはおさまらない。

木村は手下に「大山を呼べ」と告げる。

倍達がウィスキーを飲みながら現れる。

倒れている大橋を抱え起こし、黒人ボクサーに怒る倍達。

そこへ「大山さん・・」と置八子。

意外な場所での再会に驚く倍達。

置八子が大橋は悪くないのに、酷い目にあったと告げる。

そこへ大橋に対し執拗に挑発する黒人ボクサー。

倍達の怒りが頂点に達した。

木村の制止を聞かず黒人ボクサーを倒す倍達。

繁華街の裏道を歩く倍達と置八子。

池袋に倍達が居ると小島(由利徹)から聞いてきたからと話す置八子。
「あなたが見世物をしてると聞いて探しまわりました。、その人は偽者だったけど・・」
「夜の夜中にサングラスをはずせないなんて、あなたらしくないわ!」
「今のあなたは、もっと大山倍達の偽者だわ!」
「メガネを取ってください!」
置八子の悲痛な叫び。

サングラスをむしり取る置八子。

木村と倍達。

「バカヤロー!あの進駐軍はな、俺の大事な客だったんだ!」
木村の金儲けのための欲に利用されていたとしった倍達は木村を倒し決別する。

河川敷で大橋と稽古する倍達。

そこへ襲い掛かる神部十三郎(八名信夫)と名乗る剣の使い手。

危うく正拳突きで倒す倍達。

それもつかの間、剣を持った使い手が次々と現れる。

剣を奪い対抗する倍達。

全てを倒し、息遣い荒いまま、次の敵が・・・・

しかし・・それは老人であった。

釣竿を持ち、ヒタヒタと倍達に向け歩いてくる。

自分に向かう釣竿の先、足音。

殺気を感じ倍達は思わず老人を飛び越えてしまう。
「あのジイサン、凄い殺気だ・・・」

石狩鍋を囲み、倍達、小鶴、寿美子、大橋。
恥じらいながら寿美子は小鶴と一緒になることを誓う。

小鶴の唄で倍達は置八子を思う。

琴を弾く置八子、その横には、「宮本武蔵」の本が・・・

 

川辺を歩く老人を呼び止める倍達。
「もしや、夢双流棒術の内山軍司先生では?」

内山「いまじゃご覧のとおりの老いぼれじゃよ。」

倍達「いや、先生にはただならぬ殺気が。」

内山「殺気?そんなもんありゃせんじゃろう。」

内山に手合わせを要望する倍達。

しかし、内山の杖の前に倍達は身動きがとれず攻撃ができない。

倍達「参りました!」

内山「大山さん、あなたは強すぎる。あまりにも強い。もっと弱くならにゃあいかん。」

内山「ワシに感じた殺気は、あんたの影法師じゃ。」

内山「その殺気があんたの力を直線にしている。」「線というものは、円に付随したものにすぎないのじゃ!」

山中で倍達は滝を浴び「円の動き」について悟ろうとする。

寿美子の働く小料理屋の二階座敷。
練心館館長の竜道寺と幹部達の前に竜道寺の弟、竜道寺重隆(藤巻潤)が現れる。

練心館館そして、兄の不甲斐なさをなじる重隆。

あまりにも無礼な重隆の行動に苛立ち、竜道寺は一人座敷で酒を飲む。
そこへ寿美子が酒を持ってきて、「もうこれでおしまいですよ。」と空いた徳利を片付ける。
酔った竜道寺は、寿美子に酌をしろと言うが寿美子は無視をして片付けをしている。
寿美子を乱暴しようとする竜道寺。
逃げようとする寿美子は二階から転落して絶命してしまう。

酔ってフラつく竜道寺幹部達に支えられながら店を出る。
そこへ包丁を手にした小鶴が竜道寺に向け迫ってくるが、練心館幹部達によって袋叩きにされ
後を追って来た大橋が助けようとするが、小鶴も絶命してしまう。

大橋から知らされた倍達は怒りに燃え練心館道場に現れる。
あれは正当防衛だと主張する竜道寺の訴えに対し、あえて勝負を挑む倍達。
倍達は竜道寺に怒りの拳、怒りの蹴りを竜道寺に浴びせ練心館道場を去る。

練心館道場で布団の上に仰向けとなり包帯まみれの竜道寺。そばには医師と看護婦。
そこへ弟の重隆がやってきて、兄の無念を晴らすことを誓う。

倍達への怒りに燃え、道場生に対し「今から百本組手を始める!」と重隆の言葉に道場生たちも呼応する。

その頃 倍達は小鶴と寿美子の遺骨を抱き北海道へと船で向かっていた。

機関車を乗り継ぎ小鶴の故郷へ辿り着いた倍達。
駅の便所で小便をしていると、遺骨を入れたバッグを少年(倫太郎)が持ち去っていく。
倫太郎を追いかける倍達。

倫太郎(春田和秀)は、自分の父の元へ帰るが中身が骨箱と知り酔っている倫太郎の父 (近藤宏)は激しく怒る。
「酒を買ってこいと言ったんじゃ!」
そこへ辿り着いた倍達。
「おめえさん、子どもに盗みさせてまで、酒喰らいてえのかい!」
「あんたそれでも子どもの親か!!」

倍達に腹を立て攻撃する倫太郎の父親。
難なく防ぎ倫太郎の父親の腕を掴み説教をする倍達。
しかし、そこへ少年が「父ちゃんに何するんだ!」と噛みついてくる。
「坊主!こんな父ちゃん本当に好きか!?」
倍達の問いに「あたりめえだ!」と返す倫太郎。
それを聞き、家を出る倍達。

小鶴と寿美子の墓を大雪山に建てる倍達。

渓流の中、倫太郎が魚を突いて獲ろうとしている。
そこへ倍達が現れ・・・
まき餌をし時を待つ。

倍達の一瞬の気合いとともに魚がすくい上げられた。

驚愕する倫太郎。

倫太郎から父親が仕事を始めたことを知らされた倍達は喜ぶ。

そこへ父親が作業場で大怪我をしたと知らせが来る。
倫太郎と倍達も駆けつけるが病院へ連れて行く金がないという仲間。
そこへ長老が治療費もないなら倍達への熊との対決を企画する。

熊対人間の対決の知らせは練心館にも届く。
重隆は、倍達が勝たねば自分が倍達を倒す機会が失われると考える。

山中での熊との対決のために囲いがされている。

倍達がその中に立つ。

倫太郎がやって来て応援する。その後ろからは置八子の姿も。

ついに熊が放たれた!

倍達と熊とのにらみ合いが続く。

熊が吼えながら倍達に向けて歩み寄ってくる。
後退する倍達。
蹴りを熊に放つが効果がない。

酒を飲みながら見物する長老の藤村。

樹木を盾に後退する倍達。

やぐらの梯子に上り熊からの攻撃を避けようとする倍達。
しかし、梯子も熊に砕かれてしまう。

後退しながらも蹴りを熊に放つ。
熊が立ち上がり威嚇する。

後のない倍達は飛び蹴りで熊の頭部を狙う。
更に暴れる熊。

そして、倍達が飛び上がっての突きが熊の目に突き刺さった。

倒れてもがく熊。

「勝った!勝った!」歓喜する倫太郎。
置八子は、倫太郎に帰ると告げて去る。

無心の境地に立った時、熊を倒せた・・
これが円の動きだったのか・・?
倍達は息吹をしながら考える。

その夜、倍達の元へ練心館からの使者が現れ「決斗状」を渡される。

倫太郎の父親が入院する病院を訪れた倍達。
父親のそばで倫太郎が眠っている。
熊との対決で得た金を取り出し、倫太郎の父親の枕元へそっと置く。
倫太郎が目を覚ました。
倫太郎の父親の症状も安定し快方に向かっていることを聞き倍達は喜ぶ。

倍達もケガが治るまで、ここに居ろとせがむ倫太郎。
断りきれず、その場では「行かねえよ。」と倫太郎に。

しかし、翌日には倍達は機関車に乗っていた。
煙を吐き出発する機関車。
倫太郎の声が聞こえる。
「おじちゃんのバカやろう!どうして行くんだよう!」
返す言葉もない倍達。
駅のホームを越えて、追いかけてくる倫太郎。
「おじちゃーん!」
何度も叫びながら倍達を追う。
「倫太郎!」
倍達も涙をこらえて叫ぶ。
機関車はスピードを速めていく。
泣きながら倫太郎が叫ぶ。
「おじちゃんのバカやろー!」

決闘の場へ向かう倍達。

そこへ奇声を発し鎖鎌を回しながら仕掛けてくる練心館幹部。
背後からは棒をあやつる者が。

二人を倒し、更には練心館道場生に囲まれ戦う倍達。

そこへライフルで倍達を狙う道場生。

重隆が現れライフルを奪い倍達を攻撃する道場生たちに一括。
「バカやろう!よけいなことはするな!これは俺と大山の一騎打ちだ!」

海岸で対峙する大山倍達と竜堂寺重隆。

重隆は後足立ちから猫足立ちで構え、ジリジリと迫る。

倍達は騎馬立ちでの構え。

そこへ重隆の飛び蹴りが!

すかさず突き、蹴りの連続技!
体勢を崩す倍達。
「力を抜け!力を抜くんだ!」と自分に言い聞かす倍達。

海岸を走りだす。
「狂ったか・・・怖気づいたか大山」
「あんな無駄な動きを・・・」
重隆が戸惑う。

走り込んで、重隆に迫り倍達が飛ぶ!
重隆の頭上を超え構える。

重隆の攻撃。
バランスを崩す倍達。

日を背にして立つ重隆。
眩しい・・・
重隆が飛ぶ!
そして、倍達も飛んだ!

倍達の目突きが重隆に!
と、同時に重隆の突きも倍達に!

海岸に倒れこむ倍達。

重隆は構えたまま・・・

しかし、両目を潰された重隆は倒れてしまう。

息吹をしながら起き上がる倍達。
「円とは・・無心ということか・・」
「無の力・・これがあの老人の・・・」

フラフラとしながらも海岸を歩く倍達。

円の動きを悟り、ひとつの門をくぐる倍達。

【解説】
今回、極真拳シリーズの第二弾ですが、第一弾と同じ年に作製されてますね。

今回はもう、宮本武蔵のパクリでしょう!というのが明らかですね。
老人との対面など。

熊との対決・・・
これは黙って観てください。
私も当時は、前作の牛が本物だっただけに、もしや本物の熊との対決シーンなのか?
とも思いましたが・・・
CGもない当時の技術ではヌイグルミが妥当でしょうねえ。

北海道での少年との触れ合い、別れは今観ても涙が出そうになるんですが・・

今回、熊がメインではなく重要なのが藤巻潤さんが出演してることです。

藤巻潤(ふじまき じゅん)さんは、大山倍達先生の奥様の大山智弥子さんの実の弟。
1965年からのテレビドラマ「ザ・ガードマン」で好演されてましたね。

一升瓶を切り、指で穴を開けるシーンなど本家の石橋先生を圧倒するような感じで良かったですねえ。

石橋先生は、どうしようもない悪役に徹してまして空手の技は殆んど出てきませんでした。
ちょっと残念でしたが・・・

今回も極真会館の人達が頑張ってます。東谷先生も、最初のシーンから千葉チャンのやられ役で。
オープニングでは、東先生が頑張ってます。

オープニングの大山先生の型なんですが・・・
足が上がってないじゃないかとか、色々批判ありましたが・・
膝に障害あって、蹴りも上手くできない状態だったと思います。

室田日出男さんは、前回人斬り仁科の役でしたね。

歌手の湯原昌幸さんは、当時バラエティーにも多く出演している人気者です。
演技もさすがです。
歌唱力は今も昔と同じように健在ですね。

まあ~全体的にこの映画を評価する方は少ないと思いますが、でも、熱い時代に
作られた映画であると思います。
バタバタと急いで編集して作ったような感がありますが、当時の私達空手少年には熱く
感じられ燃えましたね。

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