前作「ザ・カラテ」が１９７４年６月に公開、その後１１月には第２弾「ザ・カラテ２」が
公開された。

【ザ・カラテ】

 

前回、世界空手大会でチャンピオンとなった山下タダシ、しかし卑劣な組織によりタダシは失明
させられる。
しかし、タダシは持ち前のド根性で強敵を倒し空手の道と心身の鍛錬に励んでいた。

 

三平（山城新伍）がバイトするラーメン屋の屋台でラーメンを食いまくるタダシ（６杯目・・・）

 

そこへ突然ギロチン・ブラザーズが剣を振り襲ってくる。

アダモステか？

試合を強要するギロチン・ブラザーズの二人。

タダシは拒否するが、剣を振りかざし執拗に襲ってくるギロチン・ブラザーズ。

タダシは止む無く応戦しギロチン・ブラザーズ二人を倒してしまう。

 

世界の強豪達が世界チャンピオンのタダシを狙って来日してきている。

韓国ハプキドーの達人　金振八（韓国）

鎖を振り回すブルー・ゲラー（西ドイツ）

変形のサイを扱うキラー・サムソン（アメリカ）

ナイフ投げの達人ドクター・ワン（スウェーデン）

強烈な怪力で自動車をぶっ壊すドラキュラ・ジャック（香港）

 

正武館

鈴木正文館長の元へタダシと試合させろと訴えるブルー・ゲラーとドクター・ワン
しかし、鈴木館長はタダシに試合を禁じていると断る。

しかし、ギロチン・ブラザーズをタダシは倒したではないかと鈴木館長に迫る
ブルー・ゲラー。

「それは、何かの間違い、もし本当ならタダシを厳しく叱らなければならない、
君たちも諦めて帰りなさい！」

席を立つ鈴木に罵声を浴びせるブルーとドクター。

 

三平のバイト先のラーメン屋に住むタダシを鈴木館長が訪れ、
ギロチン・ブラザーズを倒したことについて厳しく注意する。

「ハイ」「スミマセン」と素直なタダシ。

 

日本武道展の準備へとアメリカへ向かう鈴木館長。

京滋郷土記念館に秘蔵される時価２億円の日本刀　国宝「鬼切丸」は
アメリカで開催される「日本武道展」に出品されることとなった。

鈴木館長の娘　忍（堀越陽子）と師範代のタケモトは「鬼切丸」を秘かに携え大阪国際空港へ
向かう。しかし、その「鬼切丸」を狙う組織によりタケモトは殺され「鬼切丸」も奪われて
しまう。

 

タケモトの遺体の傷を触り、アメリカで偶然見た男（田中浩）の技を思い出すタダシ。
変形のサイで相手の動きを封じ、飛び込んでの両手指１０本貫手。

犯人を見つけようとするタダシを思いとどまらせ目の手術を受けるよう説得する忍と三平。

タダシは目の手術を受けるために手術室に入るが・・・
手術室に現れたのはドクター・ワン。
麻酔を注入されたタダシに勝負を挑む超卑劣なドクター・ワン。
しかし、タダシの必死の抵抗によりドクター・ワンは病院の窓から落下し絶命。

難を逃れたタダシだが、４人組の男に拉致され山中に置き去りにされる。
そこへ登場したのがブルー・ゲラー。
タダシを襲うブルー・ゲラーの鎖。

タダシは突き、蹴りで応戦し、ついにはブルー・ゲラーは橋から墜落してしまう。

そこへ次に襲い掛かるのはハプキドーの金振八。
互いに技を繰り出すが、ほぼ互角の戦い。

しかし、途中タダシは、ある技を使う男を探さなければならないと金に告げる。
金は了承し、二人の闘いは中断。

そこへキラーの放ったサイがタダシに刺さる。
止めに入る金。
しかし、キラーがタダシを襲う。
タダシは崖から転落してしまう。

 

アメリカから帰国した鈴木館長は「鬼切丸」を必ず取り戻すと報道陣に訴える。

崖から転落したタダシは、菅原トシとハジメ母子に助けられ介抱されていた。

体も徐々に回復してきて、鍛錬に励むタダシ。
そして、洗濯物を蹴りあげる失礼なタダシ。

痛みにこらえながら稽古するタダシを見て不思議に思うハジメ。
ハジメ「おじさん、痛くないの？」
タダシ「痛いよー！」
ハジメ「痛いのにどうして、そんなことするの？」
タダシ「自分に負けないタメさ。」
ハジメ「それ、どういうことなの？」
タダシ「ヤマトダマシイ！」

チンプンカンプンのハジメ。

 

タダシは、気の弱いハジメに「男ならやって出来ないことはない！」と
叱咤激励する。

子ども達の前でカマを振り回す危険なタダシ。

子どもに大根を持たせ、カマで切る超危険なタダシ。

驚嘆する子ども達。

 

そして回復したタダシは子ども達の協力を得て組織のアジトにたどり着く。

そこへ現れるドラキュラ・ジャック（ヤン・スエ）
しかし、タダシの形勢は不利。

タダシはハジメを連れて逃げるが、またも襲い掛かる錫杖を持つ集団。
錫杖の音でヤマシタの耳の感覚がマヒされていく。

しかし、ハジメの機転により、タダシは全員を倒していく。

 

ハジメへ空手を教えるタダシ。

そこへ三平と刑事の黒河（成瀬正孝）が迎えに来る。

菅原親子に別れを告げるタダシ。

 

鈴木館長の元へ帰ったタダシは変形のサイを鈴木に見せる。
鈴木は、以前勝負したことのある竜崎（田中浩）を思い出す。
鬼神流の使う過激技「木端微塵」

そこへ鈴木に組織から電話が入る。
組織のアジトへ連れて行かれる鈴木。

 

タダシと黒河の居る部屋へ現れたドラキュラ・ジャック。
拳銃を出す黒河だが、ドラキュラ・ジャックに首をへし折られ絶命。

怒るタダシはドラキュラ・ジャックと雨の中で対決する。
しかし、落雷がありドラキュラ・ジャックは姿を消す。

 

竜崎と対峙する鈴木館長。
鈴木は昔竜崎と闘い、竜崎の右手を砕いて再起不能としていた。

竜崎は「鬼切丸」と引き換えに正武館を弟子のキラーに譲るよう条件を出す。
キッパリ断る鈴木。
「鬼切丸」を奪還し竜崎の手下達と戦う鈴木館長。

鈴木の元へと駆けつけるタダシだが、またしても竜崎の手下達が襲い掛かる。
しかし、そこへ助けに入った金振八。
「俺は不死身だ！早く行け！」

一人で戦いを続ける金振八を後にし、タダシは鈴木の元へ向かう。

 

竜崎のアジトへ駆けつけ鈴木と共に戦うタダシ。
ＷＷヌンチャクの炸裂！

いつも間にかキラーが「鬼切丸」を手にしていた。
キラーを追うタダシ。

キラーは「鬼切丸」を谷底へ投げつける。
それを見ていた子ども達。

 

忍、三平も鈴木館長の元へ駆けつける。

鈴木館長は、ついに竜崎を打ち倒す。

 

岸壁でキラーと闘うタダシ。
キラーの投げるサイで両腕を封じられタダシ危機一髪！

キラーの「木端微塵」の技を避け、タダシは勝利する。

 

そこへ、またも現れるドラキュラ・ジャック。
タダシとの決着の時が来た！

ドラキュラ・ジャックの猛攻に、またも形勢不利となるタダシ。

しかし、攻防の末ついにタダシはドラキュラ・ジャックを倒す。

 

力尽きて倒れるタダシの元へ駆けつけて来たハジメ。

ハジメの友達が「鬼切丸」を探し出し持って来る。

そして、忍と三平もタダシの元へ駆けつけて来た。

―　終　－

【解説】
さて、前作より更に過激に面白くなった「ザ・カラテ２」です。
前作同様、監督は野田幸男、キャストは鈴木正文館長、山城新伍、堀越陽子の面々は一緒です。

山下タダシが今回は全盲となり色々な武器を使い技を繰り広げています。
目隠し状態でのアクションはかなりのものだと思います。

え～、今回の映画で山下タダシへの挑戦者の中で唯一いい人として登場した金振八（Kim Jin-Pal）。
気になったので色々調べると、韓国合氣道（ハプキドー）の達人で他にも香港で何作か映画出演してるようです。
殆ど主役級で、あのベティ・ティンペイとも共演しています。
更に、朴大統領のボディガードを務めたこともあるとか・・・

今回の目玉は何といってもヤン・スエと山下タダシとの対戦ですね。
あの身体見ると、本当に強そうですね。
映画『燃えよドラゴン』でボロ役として人気となり、この映画の後からは
テレビドラマ「闘え!ドラゴン」や「Ｇメン’７５」に度々出演してましたね。
香港のカンフー映画などでも多数の出演があり、その存在感は圧倒的です。
現在は、アメリカ在住で俳優、監督としても活躍されておるようです。
ＦＡＣＥＢＯＯＫもあります。Ultimate BOLO YEUNG

ストーリーは、やはりハチャメチャですが、この映画で奪い合いになる「鬼切丸」という
太刀が実際にあるんですね。
源家の宝刀として兵庫県多田神社の宝物殿にあります。
この映画とは全く関係ないと思われますが・・・
奪いに行かないでくださいね。

このストーリー滅茶苦茶でも、いいですね。
愛だの恋だのと全く無縁。
とにかく闘いまくる男の映画。
最近の映画じゃ、こんなの絶対作れませんね。
出てくるキャラクターが面白すぎです。
ギロチン・ブラザーズ、キラー・サムソンとか絶対に頭おかしい。
前作より、はるかに面白くなりました。

鈴木正文館長は日本正武館を設立し、全日本硬式空手道連盟会長。
アントニオ猪木の異種格闘技戦では、何度かレフェリーもやられてました。
空手映画には出演作が多く、実名での登場も多い。

さて、山下タダシ。
沖縄小林流　アメリカ在住で山下国際武道協会の創設者。
１９４２年に日本で生まれ、その後沖縄へ移り住む。
１９６７年アメリカで道場を始め、１９７２年にはブルース・リーとも親交があったそうです。
その後、本作以外にも忍者映画、カラテ映画などに出演。
日本よりアメリカで有名です。

さて、この勢いで「ザ・カラテ３電光石火」も次回いこうかなと。